ネパールで神の魚サハールと逢う(実習その3)
帰ってからまたこの本を読み返しましたが、行く前に読んだ時とはまったく別の本になっております。素晴らしい。勉強してから体験するのと、体験してから勉強するのとでは入り方が違いますな。また行きたくなります(笑)。
2日間で湖の大半を回り水と地形から絞ったエリアが、この本でベグナス湖のベストポイントとされている場所と同一みたいです。ただ今回そこで沢山釣れたのはデュゲンバーム、英名フレッシュウォーターガーフィッシュ。
キラキラした物に突進してくる行動も見た目も、ダツそっくり。昔々海だったと頃に取り残されたんでしょうかねぇ、コイツ。地元の人達はあまり食べない(獲れない?)様でしたが、じっくり唐揚げにすると骨まで美味しくいただけました。
3年越しで竹内さんが釣ったサハールも、カレーとグリルに。
ちゃんとした職業の人の月給が2万円くらいの国で、神の魚と呼ばれるこの魚は湖価格が5000円を超えます。市場に出回ったらいくらになるのか想像付かない超高級魚。確かに淡水魚らしからぬフワッとした白身で中々美味しゅう御座いました。固い小骨が多いのが甚だ残念でしたが、日本の料理人が包丁を振るったらさぞ美味いだろうぁ。何せこの国ではもれなくブツ切りにされちゃいますからね。
釣り3日目。
ダツが居るところ、水が綺麗なところ。湖の下流半分に絞っての釣り最終日。深いところやカバーの釣り、ダツが釣れるアクションも封印してサハールのみを狙うことに終始しましたが、結局ワタクシメに神のご加護はありませんでした。ま、日頃の行ないですなwww。日頃から行いが良いと思われる竹内さんは何とこの日2匹キャッチ!そしてついに探検隊メンバーのケイ君も終了間際にっ!!
この旅最大の70cmオーバー。
結局勝敗を分けたのは、『釣れる気がしていたかどうか』だと思います。
竹内さんは前回目の前でSHINGOプロが釣るのを見ているし、ケイ君が釣る直前にもSHINGOプロが2匹掛けたんだそうで、ボクともう1人のりゅう君だけが最後までトロンと静か過ぎる湖に半信半疑だったわけです。疑ってちゃねぇ、釣れないです、やっぱり。ま、そんな簡単にボコボコ釣れたら“神の魚”とは呼ばれていないでしょうし、手に入りにくいから価値があるわけでコレはコレでちょうど良いのだと思います。今回全部キャッチアンドイートでしたけど、早いところルールを作ってコレくらいの感じを守っていって欲しいと思います。あ~悔しい。
あ、でもこの今回の旅に関するブログを書き始めたときから実は予言しているのです。タイトルを良く見てください。『サハールを釣る』とは書いてませんからw。『ネパールで神の魚サハールと逢う』。つまりバッチリ目標達成なのです!がははっ!!
っで。
釣りは終わりましたが旅はまだ終わりませぬ。ネパールがこのまま何事も無く帰してくるはずないのです。この後『さすがネパール!!』と唸る事に。
3日間身分不相応なリゾートでの釣りを終え、翌日は隣の湖フェワ湖周辺と少々のポカラ散策。国内線でカトマンズへ戻って観光・買い物・打ち上げと進むはずでした。
名残惜しくもベクナス湖を後にする我々。リゾートから舟でダムサイト、ダムサイトから車で1時間弱でポカラ周辺へ。(この辺楽しげでした。のんびりしてみたい)しばしうろついた後に国内線へ乗るべく空港へ。カトマンズまで40分ほどの空のたび・・・・・んが!霧で空港閉鎖。我々が乗るはずの飛行機はもちろんブッダもイエティも飛んでない。何せこのポカラ空港、誘導システムとかレーダーとか軒並み壊れてるか何かで、“人間の目”が全てなのです。
ちなみに、墜落事故も度々あるらしく原因の多くは過積載。往路便で厳しく重量チェックされました。(オネーさんが首をかしげた時はビビリました)。
そんなわけで・・・・・・飛べば40分のカトマンズまでマイクロバス決定!イエーーイやっぱネパール!!(T_T)距離にすると200kmくらいらしいですが、チャーターマイクロで6時間。路線バスなら9時間くらいかかるようです。随分掛かるでしょ? ちなみに幹線道路。ハイウェイです、一応。何でこんなに時間が掛かるかというと、とにかくもう滅多やたらと凸凹なのですよ。道が。そんな道に、牛、ヤギ、人、車、バイクが自分勝手に溢れているのだから、もうひたすらクラクションを鳴らしながらTOYOTAハイエースマイクロはカトマンズへ向けて猛スピードで進むのです。その走りはマンセルもモントーヤも真っ青の暴れん坊振り。何度叫んだことか!
巨大なナマズが生息するらしい川の合流地点“ムグリン”という小さな集落を抜けたあたりではまさかの渋滞にも見舞われ(車が崖下に落ちてました)、体中の関節が全部外れて206個のパーツになるなる寸前カトマンズ着いたのは21:00前。ちょっと高級なネパール食タルカリダルバートを食べてTSUSHITA(元のオーナーが日本人だったらしい)なる小さなホテルのベッドでネパール最後の眠りに。
最終日はお土産屋さんも開いてない早い時間のフライトチェックインをしなければなりませんでしたが、そこは世界の竹内さん、お知り合いの日本びいきのお土産屋さんに無理を言ってくれまして、一応少しばかりのお土産も手にすることが出来ました。
羽田⇒バンコクまで7時間弱⇒乗り継ぎ5時間⇒カトマンズまで3時間⇒ポカラまで40分⇒車で1時間弱⇒舟30分。
舟30分⇒車で1時間弱⇒カトマンズまでマイクロで6時間⇒バンコクまで3時間⇒乗り継ぎ4時間⇒成田まで5時間。
地図で見たら結構近いですけどね。
近くて遠い国。何も無いけど何でもある国。砂埃と笑顔と牛とスパイス。『幸せってなんだっけ』なんてちょっと考えたりもしました。
同行してくださった皆さん、SHINGOプロ、竹内さん、タケさん、コスモトレックスタッフの皆さん、お手伝いしてくださった沢山の現地の方々。伊藤にとって未知の国だったネパールにまた行きたいと思えるのは全ての方々のお陰です。
ヒマラヤも釈迦誕生の地も良いですがやっぱり大事なのは『人間力』だなぁと強烈に感じました。オレも負けないくらいの人間力を身に付けたいと思います。本当にありがとうございました。
1週間ほどの“旅行”じゃあもったいない国です。次はできるだけゆっくり“旅”で行きましょう。